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熊野古道 長尾坂・潮見峠越

長尾坂・潮見峠越

捻木の杉
潮見峠越(捻木の杉)

近世の熊野詣の主要ルート

潮見峠越ルートは、三栖荘から左会津川(三栖川)を上って潮見峠を経由し芝村(現在の田辺市中辺路町栗栖川)に至る峠越えのルート。このうち世界遺産となっている「長尾坂」は上三栖から長野の水ヶ峠に至る約16町の坂道で、「潮見峠越」は捻木峠から潮見峠に至る古道です。

長尾坂と潮見峠越は、2016年10月に世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」に追加登録されました。

世界遺産 長尾坂
長尾坂

潮見峠越ルートは、15世紀初頭の古文書に「塩見坂」の記述がみられることから、14世紀には開かれたと考えられ、室町期以降は田辺から高原への近道として頻繁に利用されるようになります。

この潮見峠の名は、新宮から山中に入った旅行者にとっては最初に、田辺から本宮・新宮へ向かう者にとっては最後に海(田辺湾)を望む景勝地であったことに由来します。また、長尾坂には近世の石畳が残されています。